石川県の伝統遊戯


娛慰多牌具

「ごいた」というあそびをご存知でしょうか?将棋の駒のような牌をつかうごいたは石川県鳳珠郡能登町の伝統ゲームです。

今回は2014年度の神戸大学の学園祭・六甲祭でボードゲーム研究会さんが開いていたごいた体験会での経験と能登ごいた保存会・大阪支部(以下、ごいた保存会と略記)の方との話をもとに、石川県の伝統娯楽・ごいたをご紹介!

もくじ



ごいた大ブレイクまでの経緯


 もともとごいたは漁師さんたちの手によって、船上の娯楽として生まれたようです。

 しかし平成に入り、電子ゲームが圧倒的な勢力を持つ世の中で、このごいたは同地の人にさえ忘れられ、石川県のオーパーツになってしまいましたとさ……

 ……となるところが、保存会の活動によってごいたは命脈を保ち、ボードゲーム・アナログゲーム界の「コミケ」とも呼ばれる「ゲームマーケット2008」でこのごいたが紹介されると、「なんだこれは!?」「けっこう面白い」とアナログゲーマーの心を鷲掴みにし、果てはゲームマーケット大賞まで受賞。世間の流れは一変しました。

 ゲームマーケットでの熱狂が各地に伝播し、東京や大阪に保存会の支部が設けられ、全国でごいたが楽しまれるようになりました。

ごいたのルール概説


駒の種類と数


 ごいたは将棋で使うような駒(牌?)を使って遊びます。

 駒は全部で8種類。王・飛・角と書かれた駒が2枚ずつ、金・銀・馬・香が各4枚、「と」と呼びたくなるけど「し」と書かれている駒(歩に相当)が10枚あり、これら32枚の駒で遊びます。

ゲームの流れ ~Wikipediaより~


 ここで下手なルール説明をするよりも、Wikipedia先生にごいたのルールを教えてもらいましょう。

ルール

ごいたは4人で行われる。最初にコマを引いて2人の組を決め、同じ組の人が向かいになるように席を決める(この席順はコントラクトブリッジなどと似ている)。上位のコマを引いた組の一人が親となる。

盤上にすべてのコマを伏せて並べ、親から順に1枚ずつ取っていく。全員が8枚のコマを取ったら競技が始まる。

最初の親は手持ちのコマの1枚を伏せて置く。親が盤上に手持ちのコマを一枚出す。

次の人は出されたコマと同じコマを持っている場合、そのコマを出して新たな親となることができる。

同じコマを持っていない場合や持っていても出したくない場合は、「なし」と言って次の人に手番を回す。

親以外の3人が「なし」といった場合、親は手駒から1枚伏せて捨て、新しいコマを出すことができる。

このようにして手持ちのコマを減らしていき、最初にコマをなくしたプレイヤーのいる組が勝ちとなる。最後に出したコマによって得点が決まり、最終的に決められた点に到達した組が勝ちとなる。

王は特別なコマであり、親が飛角金銀馬を出したときにも出すことができる。

―Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/ごいた)より

ごいたの具体的な進行例


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親からのスタートと「受ける」「なし」の宣言


 いかがでしょうか?上記の説明で理解できたでしょうか?
 少し図を交えながらだいたいの流れを見ていきましょう。
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 今、ごいたを遊ぶペアが決定され、親はあなたの味方に決定しました。8枚の手ごまが配られ、ゲームスタートです。

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緊張の第1手目、親であるあなたの味方は盤上に駒を1枚、向かって左詰めにその種類が分からないよう伏せておきます。

その後、改めて伏せた駒の下に「攻め駒」と呼ばれる駒を1枚おきます。ここで、あなたの味方が「馬」を攻め駒にしたとしましょう。

次に対戦相手①はその攻め駒を受けるかどうか宣言します。

味方が放った攻め駒を受けるには、「馬」を持っている必要があります。

しかし対戦相手①が「馬」をもっていない、あるいは「ここは出す場面ではない」と考えたとき、「なし」といって次の人に手番をまわします。

次の手番はあなたです。あなたは味方の「馬」を受けるかどうか宣言します。

ただ、多くの場合、味方同士はお互いの駒を受けることはありません。その理由は対戦相手②が「なし」を宣言すれば、おのずとわかると思います

さて、あなたは「なし」を宣言し、対戦相手②に手番が回りました。ラッキーなことに、対戦相手②も「馬」をもっていなかったようで、「なし」を宣言しました。

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全員が「なし」を宣言した場合、その攻め駒を投入した人は親となり、一枚伏せて駒を盤上に出し、攻め駒を一枚置きます。

「馬」を投入したあなたの味方は再度親となり、一枚盤上に駒を伏せた後、「角」を攻め駒に使いました。

今、あなたの味方は駒を4枚つかいました。あなたの味方は①あと2回他人の攻め駒を受けるか、②1回攻め駒を受け、出した駒に対して全員が「なし」を宣言し、親として再度2枚の駒を場に出すのどちらか2つの方法であがることが可能です。味方のあがりが近づいてまいりました。

 先ほど味方の駒を受けることは少ないということをお話ししましたが、その理由はこのように味方に多くの駒を消費させるためです

 ごいたは手駒を全て使いきることが重要な目標となります。自分と味方で合わせて8枚の駒を消費するよりも、片一方が8枚使い切る方にメリットがあります。「自分の方が早く上がれる」「特別な作戦がある」という場合はあるかもしれませんが、相手が親番になるように、そしてその親番が続くように、味方の攻め駒は受けないのが一般的のようです。

攻め駒をしりとりのように受けていく


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さて、先ほどは親である味方の攻め駒が全く受けられなかった場面を見てきましたが、通常相手は妨害してきます。

攻め駒と受け駒はしりとりのようにリレーしていきます。
つまり、攻め駒と同じ駒を受け駒としてださなければなりません。

上の図で見ていきましょう(図内の数字は駒を出した順番)。味方が放った「馬」を対戦相手①が「馬」で受けることを宣言し、手駒の中から「馬」を左詰めに一枚盤上に置きます。

そして対戦相手①は次なる攻め駒、「銀」を投入します。「銀」を手駒にもっていたあなたは対戦相手①の駒を受けることを宣言し、「銀」を場に出し、その下に攻め駒である「金」を置きます。

次の手番の対戦相手②が「なし」を宣言してくれればよかったのですが、対戦相手②も受けることを宣言し、「金」を盤上に出して「香」を攻め駒へ……。

このような形でしりとり形式でプレイヤーたちが駒を出し合っていきます。

特殊なルールとして、「王」は「香」「し」以外すべての駒を止められるジョーカーカード(ジョーカー駒?)であるというものがありますが、詳しい話は後ほど。

ごいたのあがりの形


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 次にあがりまでの流れを見ていきましょう。「こんなぬるい局なんてありえねぇよ!(笑)」と言われてしまいそうな展開ですが、笑って許してください(笑)

 ゲームをはじめに巻き戻し、あなたの味方が「馬」を攻め駒に投入したところから再開します。

 対戦相手①はこの「馬」を受け、「銀」を盤上に。これに対してあなたは「銀」を受け、「飛」で攻めます。

 どちらの対戦相手も「飛」をもっていなかったのか、あなたの「飛」は全員の「なし」宣言を獲得し、あなたが親になりました。

 親であるあなたは「し」を伏せて場に置き、その下に攻め駒である「金」を繰り出します。残念ながら、これは次番の対戦相手②に止められてしまいます。

 ところが対戦相手②は「し」がたくさん手元にあるのか、攻め駒に「し」を投入。

 計10枚もある「し」。手駒に1~2枚はあることが多いです。「さすがにそれは通らない」とあなたの味方は「し」を受け、「金」で攻めます。

 この「金」を対戦相手①は思い切って「王」で止めますが、対戦相手①が攻め駒として繰り出した「銀」をあなたは受け、「馬」を投入しました。

 運のいいことに、対戦相手は「馬」も、「香」「し」以外すべての駒を止められる「王」も持っていなかったようで、対戦相手2人ともが「なし」を宣言し、あなたに親番が回ってきました。

 さて、ここであなたの手駒は残り2枚。あなたはこの親番で「し」を場に伏せて盤上に出し、「王」を攻め駒として盤上に置き、全ての手駒を使い切ることができました。

 繰り返しになりますが、ごいたではすべての手駒を使い切ればあがりです。そしてその局の得点は、最後の攻め駒によってかわってきます。

 この最後の攻め駒が「王」であれば50点、「飛」・「角」であれば40点、「金」と「銀」は30点、「馬」・「香」であれば20点、「し」であれば10点をチームの点数とすることができます。

 さらに、最後に伏せた駒攻め駒が同じであれば得られる得点は2倍になります!

 こうして何局もプレイしながら、合計得点が150点以上になったペアの勝利です!

ごいたの特殊なルール1 ―「王」は「し」・「香」を受けられない―


 次にごいたの特殊ルールを見ていきましょう。

 様々な場面でプレイヤーを悩ませるのが「『王』は『し』・『香』以外を受けることができる」というルールです。裏を返せば「『王』は『し』・『香』を受けられない」というこのルールは、攻めるうえでも守るうえでも重要です。

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 この局、あなたはよっぽど駒に好かれていたのか、「王」1枚に「飛」2枚の好配牌。現在ペアの点数は110点。
 「これって『飛』であがれば40点獲得で勝ちなのでは……?」とついつい欲が出てしまい、あなたは「飛」を出し惜しみします。

 奇跡的に大した妨害もなく、無事6枚の駒を消費したあなた。3枚目の攻め駒である「馬」を投入し、「これで誰も受けられなかったら完全勝利!誰かが受けても、次の攻め駒を『王』で受けて、『飛』であがれば勝ち!!」な~んてことを考えながら一人でほくそえんでいると、対戦相手①が「馬」を受けて「香」を投入してきました。

残念ながら「王」で「香」を受けきれず、あなたは泣く泣く「なし」を宣言。味方が受けてくれたらよかったのですが、残念ながら相棒も「香」を持っていなかったようです。

全員の「なし」宣言を得られた対戦相手①は次の親番であがってしまい、あなたは勝利を逃してしまいました。

……と、さすがにここまでひどい立ち回りをする人はいないと思いますが、「『王』がいるから安心♪」と思っていたら、「し」や「香」にしてやられてしまいます。

逆に、「あいつ『王』を握ってそうだな~」と思ったら、「香」や「し」で攻めてみるのもいいかもしれません。

「マーフィーの法則」ではないですが、自分が「王」を握っていると、だいたい「香」が勢いよく走ってきます。逆に「王」を握っているだろう人に「香」を出すと、残しておいた「香」で受けられて、最高得点の「王」であがられてしまうこともしばしば……

ごいたの特殊なルール2 ―「王」が手駒に2枚あったら―


 次に「王」の特殊ルールについて見ていきましょう。「王」は「し」・「香」以外を受けることができますが、盤上に「王」が出ていない場合、つまり誰かがすでに受け駒として「王」を使うまで、「王」を攻め駒とすることができません。

 「王」を攻め駒にできる時、「王」を受けられる駒はいません。
 「王(カシラ)を止められるものはいねぇや!」という漁師さんたちのメッセージなのでしょうか……(笑)

 さて、このルールにはさらに続きがあり、「王」が手駒に2枚ある場合は、2回目から攻め駒として利用することができます。このルールを使うとどのような(恐ろしい)ことが起こるのでしょうか?
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この局のあなたの手駒は「飛」2枚と楽しい展開が予想される様子。

「どうやって攻めていこう」と考えていると、親である対戦相手①の一手目が始まります。

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対戦相手①の第1投目は「角」でした。

あなたは当然のこと、味方も「なし」を宣言。
「そんなこともある」と考えていると、対戦相手①の2手目は……
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王……?そして……
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おう……
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真顔
だいたいこんな顔になります(笑)

すごくおおざっぱに言いますと、「王」が2枚あると、一度親番を奪っただけで即あがりが決定します。


ごいたは読みあいのゲームですが、このように運によってもたらされる勝利も往々にしてあります。

ごいたの特殊なルール3 ―実際に出た!「し」を使った特殊ルール―


「し」の駒は計10枚あり、確率的に1~3枚は手駒になっていることが多いです。

しかし、これが5枚以上になると話は別!そんなに「し」、即ち歩兵に愛されている高徳のプレイヤーには特別待遇をと、ごいたでは手駒の「し」の数に応じていくつかの特殊ルールがあります。

「し」が5枚手駒にある:駒の配り直しを選択することができる(味方の判断で続行も可能)

「し」が6枚手駒にある:「し」ではない残った2枚の駒を比較し、より得点の高い方の点数を得る
(例えば「金」と「馬」が残りの手駒だった場合は「金」の30点を獲得し、この局は終了)

「し」が7枚手駒にある:「し」ではない残った1枚の駒の点数の2倍が得点となる
(例えば「金」が残りの手駒だった場合は「金」の点数30点の2倍である60点を獲得し、この局は終了)

「し」が8枚手駒にある:100点獲得

ペア同士で5枚ずつ「し」を持っている:この試合自体に勝利する
(1局の勝利ではなく、試合全体の勝利)

敵同士で5枚ずつ「し」を持っている:配り直し

以上が「し」にまつわる特殊ルールです。

「でも実際にそんなラッキーが起こるのかな?」とお思いの方!なんと私、ろくへいの初ごいたではこの「し」に関するルールにとても助けられました。

冒頭でお話ししたように、ろくへいは神戸大学の学園祭・六甲祭で同大学のボードゲーム研究会さんが開催していたボードゲーム会でごいたと出会いました。そこではごいた保存会の方々がインストラクターとしていらっしゃっており、ごいたの講習をしていただきました。

さて、講習後の初試合はろくへいが味方の足を引っ張りながらも、味方の読みの深さとインストラクターさんのアドバイスで一進一退の攻防が続いていました。

しかし、とうとう敵のペアが140点まで獲得し、どんな手であっても次の局で対戦相手があがれば負けるといった状況でした。

一方で我々のペアも110点獲得しており、「まだまだ試合はわからないよ~」と味方に励まされながら、駒を8枚自分の手駒にしていきました。

与えられた手駒を眺めながら逆転できるのか心配になっていると、突然味方のプレイヤーが

「あ!これ!1、2、3、4……7枚!『ななし』だ!」

と歓喜の声を上げ始めました。

「これ勝ったんじゃない!?」と喜ぶ味方、そして同じく驚きの声を上げるごいた保存会のインストラクターさんに対して、ななしの意味も分からずポカンとするろくへい。

そんなさえない人物にインストラクターさんが気付き、

「『ななし』というものはですね、『し』がはじめの手駒に7枚あることを言うんです。その場合、残りの手駒の倍の点数が入るのですが……みてくださいこの手駒、『し』が7枚に『馬』が1枚!」

「え?じゃぁ、40点(『馬』20点×2)もらえるんですか?」

「そうです!これで150点で勝ちですよ!おめでとうございます!」とインストラクターさんに言われ、はじめて「わっ!ありがとうございます!」と味方と勝利の喜びを分かち合いました。

一方、せっかく追い込んでいたのに1枚の駒も盤上に出さずに敗戦を迎えた相手ペアは

「すっごいモヤっとする(笑)」と言いながら、最後はみんなで「ななし」の光景を写真に収めていました。

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 これが事件現場の写真

このようにごいたでは、「し」の数によっては「王」2枚よりも稀有な試合になることが起こります。
試合開始早々、ペア同士で「し」を5枚ずつオープンするなんていう光景も見てみたいですね!

ごいた戦術アラカルト


ここからは、少しインストラクターさんや他のプレイヤーの方がごいたの試合中にお話ししていたことを簡単にまとめております。

自分の手駒が悪くても、味方をサポートすることで勝利を引き込める


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 この局、あなたは「飛」「金」「銀」「馬」「香」「し」「し」「し」と決め手に欠けるような手駒を与えられます。

 しかし、親番であった味方は絶好調!順調に6枚の手駒を消費しましたが、対戦相手②も4枚の駒を使いました。

 その対戦相手②の「金」を受けたあなたですが、これからあがりまでの長い道のりを自力で歩むことは難しそうです。

 そんな時、味方が最後の2枚にどんな駒を用意しているのかを考えるのがごいたの醍醐味です。

 味方が「飛」や「王」を持っている場合、あなたが「飛」を出せば、あなたの「飛」を味方が受け、最後の攻め駒を投入してあがりという流れが予想されます。

 では「飛」を出せばよいのでしょうか……?いやいや、たった2枚しかない「飛」を味方が都合よく持っているはずがありません。最後の2枚は「香」や「し」を持っているかもしれません。では「香」を出しましょうか……。

 ……しかし、次番の対戦相手②に受けられてしまうかもしれません。対戦相手②があなたの駒を受けてしまうと、対戦相手②の手駒が残り2枚となってしまい、相手ペアのあがりが近づいてしまいます。

味方が受けることができて、なおかつ対戦相手②が持っていない駒は何なのだろうか?

 ごいたではこういうことを考えながら、勝利を手繰り寄せねばなりません。

 同じように牌を切っていく麻雀ではそのプレイヤーが捨てた牌は通りやすい(持っていない)と言われていますが、ごいたでは攻め駒にしている駒が待っている駒と言われているようです

 基本的に攻め駒にする駒は、自分の手駒で多く存在するものを使います。

 例えば、あなたが4枚しかない「金」を4枚全てもっているならば、あなたの「金」は「王」でしか受けられないことになります。

 例えあなたの「金」が3枚や2枚であっても、味方が残りの「金」を持っていたら、あなたの「金」は受けられないですし、味方が持っていなくても一度相手ペアに受けさせて消費させた後、再度「金」を繰り出せば全員の「なし」宣言を獲得できるかもしれないからです。

 こうした理由から、攻め駒に使っている駒はそのプレイヤーが多く所有している駒であるというのが通説のようです。

 そのため、相手が手駒を6枚消費し、最後の駒を受ける機会を待っているという状況では、味方の攻め駒を見て自分の攻め駒を決定するのが一般的とのこと。

 もっとも、その時の状況やプレイヤーの癖から総合的に攻め駒を決定しなければならないですが、迷った時の指針にはちょうどいい基本戦術です。こうした考えをもとに、相手にナイスパスを送っていきましょう!

「し」攻め


 「し」はごいたの中で最も数の多い駒で、計10枚もあります。そのため「し」を攻め駒にするとだいたい次番の人に受けられてしまいます。

 そんな「し」は親番の伏せ駒に使用されることが多いのですが、自分の手駒に4枚も「し」があったらどうでしょうか?
 もしかすると次番の対戦相手は「し」を持っていないかもしれませんし、一度攻め駒にして使い切らせれば、次から攻め駒として有効に機能するかもしれません。

 逆に安易に「し」を伏せ駒にしてしまうと対戦相手の「し」攻めにしてやられてしまうかもしれません。「『し』が1~2枚しかないのであれば、対戦相手の『し』攻めに備えて手駒が残り4枚になるまでは最低1枚残りしておいたほうがよい」というアドバイスをごいた保存会の方からアドバイスをいただきました。

 このように、一見数が多くてはずれの駒に見える「し」でも、采配次第では大きな成果をあげることができます。

 「し」攻めの戦法と共に「ごいたに弱い駒はない」ごいた保存会のインストラクターさんに教えられました。

安くてもあがる


 ごいたではその局であがったプレイヤーが、次の局の最初の親になります。
 これまで見てきてわかったように、最初から8枚中2枚の手札を盤上に出せる一番手の親はとてつもなく有利ですし、伏せ駒という非公開情報をつくることによって、相手に精神的なプレッシャーをかけることができます。

 そのため、安い点数しか入らないようなあがりの形でも、とりあえずあがることが重要であると周囲のプレイヤーさんたちからアドバイスを頂きました。

ごいたに興味をもったら


 ごいたのおおまかな内容は以上です!このように読みあいの力と運要素が上手く配合されたごいたは今後も各地のボードゲーム会・アナログゲーム会で遊ばれることと思います。

 体験してみなければごいたの本当の面白さは伝わらないですし、ここに掲載しきれない特殊なルールも多々あります。

 「自分たちもごいたをやってみたい……」そう思ったら、能登ごいた保存会・大阪支部にご相談してみてはどうでしょうか?

 ごいた保存会の皆様はごいたの講習もなされているようです。
能登ごいた保存会・大阪支部
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E-mail info@goita.jp
ツイッター @goitaosa
ホームページ http://goita.jp/
 最後になりましたが、ごいたの遊び方を教えてくださった能登ごいた保存会・大阪支部の皆様、場所を提供していただいた神戸大学ボードゲームサークルの皆様、ごいたのすばらしさを教えてくださった方々に感謝いたします!

<ライター・ろくへい>